薬剤師さんがご自宅に来てお薬の管理をしてくださるサービス「訪問薬剤管理指導」を皆さんご存知でしょうか?すでにご利用の方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は訪問薬剤管理指導についてはもちろん、お薬の知識や、調剤薬局の役割を伺いに、もも薬局薬剤師の森木先生にインタビューしてきました。

訪問薬剤管理指導でしていること

お薬カレンダーに薬をセットしたり、飲み方の説明や残数調整をします。 お薬カレンダーは薬局でも販売していますが、患者さんがお持ちのものを使うこともできます。2週間分処方が出る方は、2週間分のカレンダーを準備してもらう場合もあります。紛失が多い場合や、希望があれば、1週間ごとに訪問します。 電話相談も無料で受けています。どうしても薬が見つからないような場合は、ご自宅まで探しにうかがうこともあります。

お薬カレンダー

訪問薬剤管理指導について

対象者

通院が困難な方で医師の指示がある方

サービス内容

服薬管理、お薬の残数調整、適切な服用形態の提案、薬に対する不安について相談

依頼方法

医師、薬剤師、ケアマネージャーなど相談しやすい方に依頼

訪問エリア

もも薬局から16km以内が基本
※特別な事情がある場合は16kmを超えた所にも伺うこともあります。

訪問回数

定期的な訪問・・・4回まで/月
定期的な訪問(末期悪性腫瘍の患者様、中心静脈栄養法の患者様)・・・2回まで/週、8回まで/月
臨時(緊急)の訪問(※医療保険のみの適用)・・・4回まで/月

料金(1割負担の場合)

介護保険・・・507円/回
医療保険(介護保険のない方)・・・650円/回
臨時(緊急)の訪問(※医療保険のみの適用)・・・500円/回
注)お薬代が別途かかります。
注)施設の場合は料金が異なります。

Q. 訪問薬剤管理指導では、薬に対する不安について相談できるとありますが、どういった不安をお持ちの方がいますか?

A. 最近は健康番組が多いので、テレビで見た内容が正しいかどうか、という質問が多いです。「血圧の薬をあまり飲まない方がいいの?」とか、「いっぱい薬を飲んでいると逆に体にはよくないとか言ってたけど、大丈夫なのか」というような相談ですね。処方内容を確認して、大丈夫か判断しています。

Q. 訪問薬剤管理指導を利用して、患者様の生活がどう変わったか、印象に残るエピソードを教えてください。

A. 物忘れが多い為、服薬の支援が必要ということで訪問薬剤管理指導に入らせていただいた患者様がいらっしゃいました。
最初は残薬も沢山あって、先ほど渡した薬もどこへいったか忘れてしまう状況でしたが、薬局で薬を預かり、一週間ごとに持って行くようにしました。それ以降、しっかり服薬できるようになり、体調もよくなりましたね。
その後、腎疾患が悪くなり、食間で服用する薬が追加になって服薬が複雑になりました。最初は透析を開始する話も出ていましたが、カレンダー以外の所にボックスを置かせてもらい、洗濯ばさみでとめて対応したところ、きちんと服薬されていました。
腎疾患も安定し、透析を開始する必要もなくなった為、印象に残っていますね。

お薬について

Q. お薬の形状について教えてください。

A. 在宅の方については嚥下が困難な方もいらっしゃるので、錠剤が飲みにくい場合は粉砕にしたりします。
胃では溶けず、腸で溶ける腸溶錠というお薬だと、粉砕してしまうと血中濃度が一気に上がってしまう為、粉砕できないものもあります。その時は粉砕できる薬に変更してもらうように医師に相談します。
錠剤が飲みにくいという場合は、粉薬に変更できものもありますから、その際は提案させていただいています。

Q. 患者さんからよくある質問は何ですか?

A. 一番よくある質問は飲み合わせについてです。
複数の病院からお薬が処方されている方もいるので、他にも薬が出ていませんか?と確認した際、わからない…という方もいらっしゃいます。
こちらとしても出されている薬がわからないと対応ができかねる場合があるので、かかりつけ薬局をもつか、お薬手帳を持って確認ができるようにしておくことが、自分の身を守る為にもなりますよ。

調剤薬局の役割について

Q. 調剤薬局の役割を教えてください。

医師と患者様の間をつないで、安心してお薬を飲んでもらう関係を作ることが調剤薬局の役割です。医師の思い描いた治療プランに上手く沿っていくように、薬の説明をしたりフォローしています。
もも薬局では平成28年に無菌調剤室を作りました。今まで病院でしか受けられなかった治療を、なるべく在宅でも受けられるようにすること、そして、安心して在宅に帰られる環境を作ることが今後、調剤薬局が目指すべき所です。
また、かかりつけ薬剤師だったり、かかりつけ薬局に選んでもらえるような薬局を目指していきたいですね。
以前、高齢者の方向けの講義をさせていただきましたが、処方箋を持っていないと薬局に入りづらいと相談を受けました。処方箋を持っていなくてもかんたんに訪れることができて、相談できるような雰囲気作りをしていきたいです。

無菌調剤室

< 編集後記 >
森木先生、お忙しいところご協力いただきありがとうございました。飲み残してしまったお薬、飲んでも大丈夫かなと思ってしまいますが、不安な時は薬剤師さんに相談するのが一番ですね。私もうっかりお薬手帳を持たないまま薬局さんに行ってしまうことがありますが、自分の身を守る為にも忘れずに持って行きます…!