コロナ禍が医療にもたらしたもの その2

COVID-19の流行によって、
オンライン会議やオンライン診療が広まり、
対面での会議や診療の意義が問い直されていると思います。

対面での会議や診察は、
希少なものとなり、その価値は向上していくのではないでしょうか。

生産性の低い会議は無くなり、対面会議は高級品へ

2月28日の厚生労働省の事務連絡では、
以下のように、介護保険の担当者会の開催について、
電話やメールで済ませたり、開催しなくても良いという時限措置の通知がありました。

問9
居宅介護支援のサービス担当者会議について、どのような取扱いが可能か。

(答)
感染拡大防止の観点から、やむを得ない理由がある場合については、利用者の自宅以 外での開催や電話・メールなどを活用するなどにより、柔軟に対応することが可能であ る。
なお、利用者の状態に大きな変化が見られない等、居宅サービス計画の変更内容が軽 微であると認められる場合はサービス担当者会議の開催は不要である。

※厚生労働省の当該文書
https://www.mhlw.go.jp/content/000601692.pdf

 

また、2020年度診療報酬改訂では、
退院時共同指導(いわゆる退院前カンファレンス)のオンライン開催の要件が緩和されました。
市内でも、オンライン開催の動きが出始めています。

COVID-19流行によって、
感染症が広がる危険性を
おかしてでも、
対面で開催しなければならない会議は限られるという事実が、
あぶり出されたのだと解釈しています。

じゃあ、
今までみんなが生産性が低いと内心感じながらも、
時間を作って調整して行っていた対面会議は何だったんだ?
と言うことになるのですが…

対面での会議をするからには、
参加人数分だけの時間という対価、
そして感染症を拡大させるかも知れない危険性を上回る利点が、
提示できないかぎりは、
開催の正当性が説明できないということになったのです。

今後、対面での会議は、
開催の必要性がしっかりと吟味された上に、生産性も高い、高級品になると思います。

 

対面診察も高級品へ

4月10日の厚生労働省の事務連絡にて、
電話も含めたオンライン診療の要件が、
時限的に大幅に緩和されて、
初診でもオンライン診療が可能になりました。

従来のオンライン診療は、
限られた条件を満たした患者が
対象であり、

さらに3ヶ月に1回の対面診察を義務づけていましたが、
それらの制限がかなり緩くなっています。

※厚生労働省の当該文書
https://www.mhlw.go.jp/content/000620995.pdf

 

対面診察を要しないと思われる軽症患者や、
病状が落ち着いている患者は、
対面診察を受けること無く診断を受けて薬の処方を受けることができます。

対面の会議のハードルが上がり、
その必要性がしっかり吟味されるようになったとのと同様に、
対面診察についても、
医師も患者も、その必要性をしっかり吟味するようになると思います。

必ずしも対面診察ではなくてもいいような診察が、
あぶりだされて、オンラインへ移行していくでしょう。

COVID-19が長期化すれば、
人々は今の状態に慣れてしまって、
コロナ前のように、安易に通院する生活にもどるのはたやすいことではなくなっているかもしれません。

コロナ後の病院の風景を想像してみました。
待合室には適度な距離を保ったイスがならび、
患者はまばらです。
建物の構造も、
充分な換気ができる空調が設置され、
発熱者と非発熱者が接触しないようなつくりになっていくでしょう。
患者が殺到しないように、
予約制がさらに普及するかも知れません。

そうすると、
実質的に、対面診察できる患者数は制限され、
必要性の高い患者が病院を訪れるようになるでしょう。

私の立場としては、
オンライン診療は、
診断上もコミュニケーション上も、
対面診察よりも劣っており、
安易に推進すべきでは無いと思っています。

だけれど、
オンラインで済ませられることはオンラインで、
という流れになるのは必至だと思います。

 

まとめ

コロナ禍が医療にあたえたもの、その2をまとめます。
これまで、
あまり深く考えずに、対面で行われていたものの意義が、
しっかり吟味され、
意義の低いものがあぶり出されてきています。

そして、本当に必要なものが対面の会議や診察として残っていくし、
皆が移動や参加によって負担する時間や感染リスクという対価にみあったものになるように、
価値の高いものへと進化していくでしょう。