金槌をもつと釘にみえる

欲求段階説で有名なアメリカの心理学者、アブラハム・マズローの有名な言葉に「金槌しか持っていなければ、すべての問題は釘に見えてくる」というのがあります。

この言葉は、現在の多くの医療や介護関係者にも、そのまま当てはまります。
私も、よくこういう思考のワナに陥ります。

もしかしたら、介護の事も医療のこともわからない、素人の方が、柔軟な発想で問題が解決出来るのではないかと、可能性を感じています。

具体例で考えてみましょう。

 

閉じこもりの解決策は無限大

たとえば、あなたのお家の、お婆ちゃんが最近閉じこもりがちになってしまって、表情も乏しく、認知症も進んできたと、あなたは感じていたとします。

そして、あなたは、お婆ちゃんの認知症がすすまいように、そして、以前のあかるく元気なお婆ちゃんを取り戻して欲しくて、お出かけしたりおしゃべりしたりして欲しいと願います。

 

さて、どうやってこの課題を解決しますか?

 

 

きっと医療・介護従事者に相談すると、10人のうちの9人くらいは、「デイサービスに出てみたら?」とすすめられると思います。

 

デイサービスと思ってしまったあなた、要注意ですよ(笑)

 

私たちが持っている金槌が、まさにデイサービスなんですね。
たしかに、解決策の一つではあるのです。

 

ですが、解決策は、他にもきっとあるのではないでしょうか?

 

 

例えば、お婆ちゃんが出かけなくなった理由が、難聴だったとします。

誰かに話しかけられても、うまく聴き取れなくて、コミュニケーションがとれず、相手に失礼になってもいけないとおもって、できるだけ人に会うことを避けているのかも知れません。

この場合の解決策を考えてみてください。

 

そう、「補聴器」がもしかしたら、正解かもしれませんよね。

 

 

例えば、お婆ちゃんが出かけなくなった理由が、自分の見た目が年老いてきて、恥ずかしいということなのかも知れません。

 

この場合の解決策はなんでしょうか?

髪を切って、白髪を染めて、パーマをかけて、おしゃれな洋服を着て、お化粧をしてみたらどうでしょう?

考えてみれば、解決策はもっと沢山出てくるのではないでしょうか。

 

素人の強み

とかく、私たち医療・介護従事者は、自分たちの金槌で問題を解決しようとしがちです。

ですが、むしろ、医療のことも介護のこともわからない、素人の方が、柔軟で大胆な発想で、問題を解決出来るのではないかと、私は可能性を感じています。

医療や介護に答えを求めすぎない、依存しすぎないという姿勢も、もしかしたらこれから大切になってくるのかもしれません。